自動車保険の使用目的とは?走行距離の目安や選び方を解説

2018年5月12日

自動車保険に加入する手続きの際に契約対象の車をどのような目的で使用するかを選ぶ項目があります。これが使用目的と呼ばれるもので、買い物や通勤といったように車をどのように使うかによって保険料が変わってきます。このページでは使用目的の種類や選び方、変更時の保険会社への連絡方法や違反によって自動車保険が使えないケースなども解説しています。

自動車保険の使用目的とは

最近の自動車保険は加入者の属性(年齢や免許の種類、等級など)をはじめ、契約対象となる車の種類(車種、型式)によって保険料が細かく分けられています。これによって加入者は公平に保険料を負担することになり、事故率が高いとされる人は保険料が高くなり反対に事故率が低いとされる人には保険料が安くなっているのが大きな特徴です。

このように加入者や契約車両のタイプによって保険料が変わる「リスク細分化型保険」では、保険料を左右する要素の1つとして「使用目的」があります。使用目的とは契約対象の車をどのような用途のために使っているか、どれくらいの頻度で使っているかを表すものであり、使用する頻度に応じて「日常・レジャー」「通学・通勤」「業務」の3つに分けられます。

買い物や週末のドライブ、実家への帰省などのみ車を使用する場合と、週に5日以上通勤や通学に車を使用する場合、営業のために必要な車を業務の一環として運転する場合では車の使用する頻度も変わります。つまり事故を起こす確率も変わってくるので、契約時に申告する使用目的によって保険料も変わってきます。

そのため間違った使用目的を指定して自動車保険の契約を行うと無駄な保険料を負担をすることになりますし、反対に保険料を浮かせようと思って使用目的を偽って申告すると、いざという時に補償を受けられないこともあるので注意が必要です。

使用目的の種類と保険料の違い

使用目的 該当条件
日常・レジャー 買い物や年に数回の旅行、レジャーなどに車を使用する場合
保険会社の規定:「通勤・通学」または「業務」として契約車両を使用しない場合
年間走行距離の目安:3,000 ~ 10,000km
通勤・通学 通勤や通学の手段として車を使用する場合
保険会社の規定:「業務」として使用せず、年間を通じて週に5日以上または月15日以上、契約車両を通勤または通学を目的に使用する場合
年間走行距離の目安:10,000 ~ 15,000km
業務 仕事の業務として車を使用する場合
保険会社の規定:年間を通じて週に5日以上または月15日以上、契約車両を業務(仕事)を目的に使用する場合

「日常・レジャー」は買い物や週末のお出かけ、年に数回の旅行にしか使わない方で、主に日常生活や遊びのために車を使用する場合です。3つの種類の中で車の使用頻度が最も少なく、想定される年間走行距離も短くなるので保険料も最も安くなっています。「通勤・通学」「業務」の条件に当てはまらない方が選択することができます。例えば週3日のパート勤務で通勤に車を使う場合であれば、「日常・レジャー」とできる可能性があります。

「通勤・通学」は週に5日以上、または、月に15日以上を通勤や通学に契約対象の車を使用する場合です。使用頻度や走行距離は中程度で、保険料は「日条・レジャー」に比べて3千円~5千円ほど高くなっています。自身の通勤や通学のためだけではなく、子供を保育園や幼稚園へ車で送迎する場合も通学扱いになるので注意が必要です。週4日のパート勤務であれば1ヶ月あたり16日以上は通勤で使用することになるので、「通勤・通学」を選択する必要があります。

最後に「業務」とは、営業のためや工事現場までに向かう車であれば使用目的を「業務」とする必要があります。業務として買い物に行く場合や打ち合わせのために使用する場合でも「業務」に該当するのが注意が必要です。車の使用頻度や走行距離も大幅にアップすると考えられるため、「日常・レジャー」に比べると保険料も5千円~1万円ほどアップします。ちなみにトラックや配達業者用の車両であれば一般的なノンフリート等級契約をすることができないこともあるので、契約前に保険会社によく確認しておきましょう。

使用目的の選び方

実際の使用頻度よりも多い使用目的を選ぶと余計な保険料を負担することにもなりますし、反対に実際の使用頻度よりも少ない使用目的を選んで保険金を請求しても拒否される可能性があるので注意が必要です。ただし車を使用する目的は多岐にわたっているため、ここではケースごとに使用目的の選び方をご紹介します。

普段は買い物やレジャーがメインで、運動会や雨の日のために通学、通勤として車を使用する

普段はスーパーやドラッグストアへの足として車を使用しており、月に数日はレジャーとしてドライブに行くようなケースであれば「日常・レジャー」を選択して問題ありません。また運動会や雨の日といった日に子供やご主人を学校や勤務先まで送迎することがあっても、月に15日以内であれば「日常・レジャー」の使用目的で大丈夫です。

パートやアルバイト勤務のために週に3~4日通勤として車を使用する

パート社員やアルバイト社員として働くために勤務先に車を使用するケースでは、月にどれくらい出勤するかが判断の分かれ目となります。週3日以内であれば多くても月に13~14日の勤務となるので「日常・レジャー」としていても問題ありません。週4日の勤務であれば多ければ月に16日以上の勤務となるので「通勤・通学」の使用目的を選択しましょう。

曜日
パート勤務 幼稚園への送迎 車の運転 パート勤務 幼稚園への送迎 車の運転
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また週3日程度のパート社員で働いており車で通勤し、週3日の幼稚園への送迎がある場合はどのようになるのでしょうか。Aさんの場合は月~金曜日まで通勤や通学で車を1週間のうちに5日使用していることになるので「通勤・通学」の使用目的を選択する必要があります。Bさんの場合は通勤や通学を目的として車を使用するのは1週間のうちに3日なので「日常・レジャー」を選択することができます。ただし保険会社によって算出方法が異なるので、見積もりを依頼される時などに担当者に確認しておきましょう。

保険会社によって見解が分かれるケース

ボランティア活動(街の清掃、見守り登板など)のために車を使用する場合は業務に該当しないため「業務」の使用目的を選択する必要はありません。ただしボランティアで学校への送迎を行う場合は保険会社によって見解が異なります。判断のポイントとなるのは、「車の使用頻度が多いのか」「走行距離が長くなるのか」といった点です。

他にも最寄り駅まで子供や夫を通学・通勤のために送迎する、学習塾や習い事のために子供を車で送迎する、といったケースでも保険会社によって見解は異なります。そのため保険会社を乗り換える際は間違った使用目的を選んでいないか、新しい保険会社へ一度問い合わせされることをおすすめします。

告知義務と通知義務

自動車保険(任意保険)の加入者は契約対象の車情報や走行距離、主な運転手や等級などについて偽りなく保険会社に伝える「告知義務」があり、また車の用途や使用目的に変更があった場合は保険会社に連絡する「通知義務」があります。告知事項と通知事項は以下のようになっていますが、使用目的は通知事項の中に含まれており変更があった場合は保険会社に連絡する必要があります。

告知事項 通知事項
・契約車両の情報(車種、ナンバー、登録番号など)
・運転手の情報(主な運転手、限定範囲)
・等級
・以前の自動車保険の契約情報(事故歴、保険金請求履歴など)
・契約台数
・契約車両の用途変更(業務用など)
・契約車両の使用目的
・契約車両の登録番号

これらの告知事項において虚偽の情報を保険会社に伝えると契約を解除される可能性があるだけではなく、保険金を請求しても支払いを断られるケースがあるので注意が必要です。

また「これまでは買い物にしか車を使用していなかったけれど今後は通勤で車を使うことになった」というような場合は、保険会社に連絡して契約の使用目的を変更してもらう必要があります(通知義務)。使用目的が変わると保険料も変わるので、残りの契約期間に応じて保険料の差額を支払ったり、反対に保険会社から差額分を返金してもらえる可能性もあります。

ほとんどの保険会社では、「電話によるサービスセンターへの連絡」「郵送による手続き」「インターネット上での手続き」で使用目的の変更を行うことができます。

補償されるケースと補償されないケース

実態は業務として車を使用しているのに、「日常・レジャー」として使用目的を告知していた場合は保険金を受け取ることはできません。契約の申込時には審査はありませんが、交通事故によって保険金が請求されると調査会社によって契約車両の使用実態が調査されます。その際に告知した内容と異なる使用実態であれば保険金の支払いが拒否されることになるので注意しなければいけません。

ただし「業務」や「通学・通勤」で契約を行っており、買い物やレジャーへ行く途中で事故に遭っても保険金は支払われます。また「日常・レジャー」で契約を行っていても、週に1回の通学や通勤の際に事故を起こしても保険金を受け取ることができます。車の使用実態が保険会社の規定内に収まっていれば問題なく保険金が支払われます。

車を業務の一環として使用することになったり、通勤・通学として送迎をする必要ができた場合はすぐに保険会社に連絡して使用目的の変更手続きを行うようにしましょう。更新の際に一括見積もりサービスを使って保険料を比較検討する場合には、使用目的も併せてトータルで自動車保険の見直しを行うことも大切です。

自動車保険の使用目的のまとめ

  • 契約対象の車を使用する目的や頻度、走行距離に応じて使用目的を選ぶ
  • 種類によって保険料が異なるので、適正な使用目的を選択する
  • 偽って保険会社に告知をすると保険金を受け取れなくなるので注意が必要

参考記事
・チューリッヒ:「自動車保険の使用目的と年間予定走行距離の目安