自動車保険の等級引継ぎって?家族間や他社乗り換えの条件

自動車保険の等級制度とは契約者の過去の事故によって保険料の割引、割増率が変わる制度で、過去1年間で保険金を支払うような事故が無ければ等級が1つ上がり割引率も上がります。1~20等級まであり新規契約の場合は6等級からスタートしますが、等級は一定の条件を満たす家族であれば引継ぐことが可能です。

また他の損害保険会社の自動車保険に乗り換えた場合でも等級を引き継ぐことができます。ただしこちらも条件を満たさないと等級を引き継ぎできなかったり、せっかく上がった等級がリセットされてしまうことになるので注意が必要です。このページでは家族間や他社への等級引継ぎの方法やポイントについて解説しています。

家族間の等級引継ぎと条件

任意保険に新規加入した場合は6等級からスタートし、一般的な保険会社の保険料割引率は19%となっています。1年間事故を起こさなければ翌年に1等級アップし、その後も無事故を継続して20等級にもなれば63%もの割引率を受けられることになっています。

もし契約者が車を乗らなくなったり亡くなった場合は、同居している家族が一定の条件を満たせば等級を引き継ぐことができます。

    家族間での等級引継ぎ条件

  • 契約者の配偶者(内縁も可)
  • 契約者の同居の子供
  • 契約者、配偶者の同居の親戚

親族とは「6親等内の血族」「3親等内の姻族」のことで、契約者からみて6親等内の親戚や配偶者からみて3親等内の親戚まで等級を引き継ぐことができます。ポイントとなるのは条件を満たす親族であっても契約者との「同居」が必須条件となっている点で、同じ敷地内に2件の建物があって別々に暮らしている場合や長屋のような同じ建物の中で内部が壁で完全に仕切られている場合でも「別居」となるので注意が必要です。

また離婚によって配偶者が他人となった場合も等級の引き継ぎを行うことはできません。例えば夫が車を所有しており妻が保険契約者であるケース(家族限定、ゴールド免許割引)では、離婚によって夫は任意保険の補償から外れてしまいます。いったん離婚すると引継ぎができなくなってしまうため、同居中に保険契約者の名義変更を行っておく必要があります。

    家族間での等級引継ぎできないケース

  • 同居していない場合
  • 離婚した場合
  • 車両の新規購入、廃車、譲渡、増車、減車ではない場合

また車を新しく購入したり誰からか車を譲ってもらったり、所有している車の数が増減するタイミングでなければ等級の引継ぎはできません。例えば同居家族が事故を起こしてしまったので、事故有係数によって保険料がアップするため保険料節約のために等級を入れ替えるということはできないので注意が必要です。

家族間の等級引継手続きの流れ

家族間で等級を引き継ぐ場合はそれぞれ契約している自動車保険の損害保険会社に連絡する必要があります。基本的には高い等級の保険対象の車と低い等級の保険対象の車をはっきりとさせる作業が必要となるので、損保会社によっては車検証の名義変更を伴うこともあります。

    例:新しく車を買った場合

  • ①高い等級の保険対象を新しい車に変更する(車両入替の申請)
  • ②新しい車に保険対象が変わった後、高い等級の自動車保険の名義を変更する(息子など)
  • ③所有していた古い車に対する自動車保険に新規加入する(親など)

例えば息子が新しい車を購入し親が加入していた等級が高い自動車保険を引き継ぐ場合では、まず高い等級の自動車保険が補償する対象車両を以前の車から新しい車に変更します。その後、高い等級の自動車保険の名義を息子に変更し、親は以前の車に対する新しい自動車保険を契約します。名義変更をしなくてもそれぞれの保険において補償範囲を「家族限定」としておけば特に問題はありませんが、保険料がアップしますし所有している車の名義と自動車保険の名義がそれぞれ異なるのでややこしくなります。

また契約者が亡くなった場合でも家族間で等級を引き継ぐことができます。ただし「契約者」「記名被保険者」「車両」について名義変更の手続きを行う必要があり、名義変更を行いままにしておくと補償を受けられなくなるので注意が必要です。また別居の家族が車を相続して自動車保険も引き継ぐ場合、等級はリセットされてしまうので気をつけておきましょう。

等級引継ぎによる保険料の節約

年齢が若い人を被記名保険者として補償範囲とする場合、「年齢条件」によって保険料が大幅にアップしてしまいます。そこで親の自動車保険を子供が引き継ぐことによって保険料を抑える方法があります。親(54歳)の自動車保険を息子(22歳)が引き継いだ場合と、息子が新しく自動車保険に加入する場合を比較してみましょう。

息子が新規契約の場合 等級を引き継いだ場合
等級 保険料 等級 保険料
20等級 27,400円 7等級 48,600円
息子 7等級 148,800円 息子 20等級 49,800円
合計 176,200円 合計 98,400円

息子が新規で自動車保険を7等級(セカンドカー割引)でスタートさせた場合、保険料は15万円近くの見積もり結果となりました。親の20等級を引き継げば保険料は5万円ほどで3分の1ほどの保険料となります。一方で親は7等級から再スタートするので保険料は上がってしまいますが、息子の保険料節約分が大きいためトータルで8万円近くの節約が実現できています。

ただし親が乗っている車が高級車であったり息子が乗っている車が中古車などで車両価格が高くない場合では、車両保険の関係であまり大きな節約を実現できないこともあります。等級の引継ぎを行う場合は損害保険会社に連絡する必要があるので、担当者に保険料の見積もり比較を事前に行ってもらうようにしましょう。子どもが親の車を運転できないように年齢条件を加えて設定しておけばさらに保険料を抑えることも可能です。

保険会社間の等級引継ぎと条件

自動車保険を他の会社に乗り換える場合でも等級は引継ぐことができ、国内損保、外資系、代理店型やダイレクト型を問わず条件が整えば引継ぎ可能です。ただし一部の共済(全自共、教職員共済など)では条件付きで等級の引継ぎ可能となっているので事前に確認しておきましょう。

    保険会社間での等級引継ぎ条件

  • 以前の保険満期日または解約日より7日以内に引継ぐこと

どの保険会社でも共済でも同じですが、保険満期日または解約日より新規契約を結ばずに8日が経過してしまうと等級は6等級にリセットされてしまいます。そのため他社乗り換えで等級を引き継ぎたいという場合は、新しい保険会社の担当者に以前の保険の満期日を連絡しておき保険の空白期間が生まれないようにすることが大切です。

また車を乗らなくなった場合は保険会社が「中断証明書」を発行してくれるので、中断期間において7等級以上の方であれば等級がリセットされることはありません。中断証明書は保険会社によっては最長で10年間発行してくれるところもあるので、海外赴任や転勤などで車を使わなくなった場合は一度保険会社に連絡されることをおすすめします。

注意しなければいけないのが現在の保険期間中に保険金を支払うような事故があったかどうかです。事故がなければ満期日に等級が1つ上がり、引継ぎ時にも等級が1つ上がった状態で他社へと保険を乗り換えることができます。反対に事故があった場合では、乗り換えを行った時点より事故の状況に応じて3等級ダウンまたは1等級ダウンが反映されることになります。

なお、事故を起こしたからといって自動車保険を乗り換えて新規契約を行っても事故あり等級やダウンした等級が引き継がれるので注意しましょう。以前の契約満期日または解約日より13ヶ月以上経過しないと等級はリセットされません(5等級以下の場合)。

    保険会社間での等級引継ぎできないケース

  • 一部共済で引継ぎに対応していない場合

自動車共済へ乗り換える場合でも「JA共済」と「全労済」であればほとんどの損害保険会社の等級制度と対応しているので問題なく引継ぎを行うことができます。反対に「JA共済」「全労済」から損害保険会社の自動車保険への乗り換えも可能ですが、無事故証明書などが必要となる損保会社もあるので確認しておきましょう。

保険会社間の引継手続きの流れ

保険会社や共済で等級を引き継ぐ場合は、満期日に他社へ乗り換える方法と現在の保険を解約して他社に乗り換える2つの方法があります。解約して他社に乗り換える際は解約日より7日以内に他社乗り換えができないと等級がリセットされてしまい、また解約日から新しい保険開始日までに期間があると任意保険がない空白期間が生まれるので注意しましょう。

    例:共済から損害保険会社に乗り換える場合

  • ①現在加入している自動車共済の満期日を損害保険会社の担当者に伝える
  • ②過去1年間の無事故証明書を取得(必要な場合)
  • ③損害保険会社への加入手続きを済ませる
  • ④満期日に新しい自動車保険へと切り替わる

無事故証明書は警察署や駐在所などに証明書申込用紙があるので、必要事項を記載した上で郵便局や銀行から手数料を支払うことによって取得することができます。自動車保険への加入には「保険証券」「車検証」「運転免許証」などが必要となりますが、一括見積もりサービスを利用する際に入力しておけばそのままスムーズに契約できる損害保険会社もあります。

また自動車保険や共済の補償期間は満期日までの午後4時までとなっているので、午後4時になると新しい自動車保険への補償へと自動的に切り替わります。

その他引継ぎできないケース

  • 法人名義から個人名義への引継ぎ
  • バイクと車での引継ぎ

法人名義の自動車保険を個人名義に変更する場合においては基本的に等級を引き継ぐことはできません。ただし法人名義の記名被保険者と変更後の個人名義の記名被保険者が同一人物またはその配偶者、同居家族である場合は等級を引き継ぐことができます。この場合、法人専用で販売している損害保険会社から個人向けの損害保険会社に乗り換える場合は対応ができるところとできない損保会社があるので、等級の引継ぎが可能かどうか双方の担当者に確認しておくようにしましょう。

また車とバイクの間では等級の引継ぎはできません。ただし同じ損害保険会社にすることで「バイク割」のように保険料の割引を受けられたり、無駄な特約を省くことができるので(個人賠償責任特約など)、バイクと車の両方を乗られる方はどちらにも対応している損保会社への見積もりを依頼してみましょう。

等級の引継ぎのまとめ

  • 同居の家族であれば一定条件の下で等級を引き継ぐことができる
  • 年齢が若い家族に高い等級を引き継がせることでトータルの保険料を抑えることもできる
  • 他の保険会社、共済間でも等級を引き継ぐことができる
  • 一部の共済では等級の引継ぎができないところも
  • 自動車を使用しないのであれば中断証明書を取得して等級がリセットされないようにする
  • 解約して自動車保険を乗り換える場合は保険の空白期間に注意すること

参考記事
・価格.com:「等級の引き継ぎとは?
・自動車安全運転センター:「運転経歴に関わる証明書

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