自動車保険(任意保険)に加入する必要性は?

日本では2015年末時点で運転免許(自動車、バイクの合計)を保有している人はおよそ8215万人おり、人口の約3分の2の人が自動車またはバイクを運転することができます。自動車やバイクを運転できると移動時間を短縮できたり、物品や同乗者を運ぶこともできるのでとても便利です。時にはドライブも楽しむことができ、現在では日常生活や仕事において身近で欠かせない存在となっています。

しかしながら、自動車やバイクを運転すると交通事故を引き起こしてしまうこともありますし、他の人が運転する車が信号無視をしたり煽り運転をしてきたりなど運転には常に危険と隣り合わせになっています。万が一、交通事故に遭った場合に役に立つのが自動車保険で、残念なことに他人を死亡させてしまったりケガを負わせてしまった場合に一定の金額の補償を受けることができ、その保険金で賠償金を支払うこととなります。

自動車保険には大きく分けて法律で加入を義務付けられている「自賠責保険」と、損害保険会社が販売しており加入に強制はない「任意保険」の2種類があります。なぜ自賠責保険だけではダメなのか、任意保険にはどのような補償がありなぜ加入する必要があるのか、このページでは自賠責保険と任意保険の特徴やしくみ、必要性についてわかりやすく解説しています。

保険のしくみと必要性

人生を生きていく上において、病気やケガを負ったり、家が火災で焼失してしまったり、大黒柱の旦那さんが不慮の事故で亡くなったりとさまざまなリスクが潜んでいます。このようなリスク、不安に対して役に立つのが保険制度で、加入者が少しずつ保険料を出し合い加入者の誰かが万が一の場合に保険金を出して経済的な援助を行うというものです。

このような保険のしくみは中世ヨーロッパで始まったとされており、日本では福沢諭吉によってそのしくみが紹介されて1880年に初の生命保険会社が誕生しました。現在ではリスクに応じて「生命保険」「医療保険」「火災保険」のように種類が分かれており、「自動車保険」や「バイク保険」も損害保険のうちの1つです。

しかしながら「保険料を支払ずに貯蓄を行えばいいのでは?」と考える方もいらっしゃると思います。保険制度は万が一に備えるためのものですが、もしその万が一が起こらなければ支払った保険料が無駄になってしまうという考え方もあります。ただし貯蓄は何十年もかかって必要な貯蓄額を貯めていくものなので、その万が一の事態が貯蓄をスタートした当初に起こってしまえば困ってしまうことになります。保険制度は保障期間が開始されたと同時に大きな保障が得られるのが大きなメリットで、保障期間であれば対応するリスクが生じたとしても保険金でカバーすることができます。

自動車保険の種類

このような保険制度の中から自動車事故における補償を行うための自動車保険が生まれました。日本における自動車保険には加入が義務付けられている「自賠責保険」と、民間の損害保険会社が販売している「任意保険」の2つに分けられます。自賠責保険は強制保険とも呼ばれており、車の購入時や車検を行う際に販売会社や修理工場において加入または更新されることとなっています。一方で任意保険は加入が義務付けられていない保険ではありますが、なぜ任意保険に加入する必要があるのでしょうか?

    自動車運転中におけるリスク

  • 事故相手を死亡させてしまった、またはケガをさせてしまった
  • 一緒に乗っていた搭乗者をケガさせてしまった、自分もケガを負ってしまった
  • 相手の車を破損してしまった、自分の車も壊れてしまった
  • 車に乗せていたモノが壊れた、駐車中に車上荒らしにあって盗まれてしまった
  • ドライブ中にガス欠になった、キー閉じ込めでドアを開けられなくなった
  • 自転車運転中に歩行者にぶつかってケガを負わせてしまった
  • 事故相手との示談交渉はうまくいくかな、弁護士に頼むと費用がかかるのでは

実は自賠責保険の補償範囲や内容は最低限のものとなっており、車を運転して誰かを死亡させてしまった場合の十分な補償や自分自身や搭乗者がケガを負った場合の補償はありません。車を運転するにあたっては以上のようなリスクが潜んでおり、自賠責保険だけではカバーすることができません。そこで必要となってくるのが損保会社が販売している自動車保険で、中には運転中の事故だけではなく相手方との交渉を行ってくれたり日常生活におけるケガや相手への補償も充実しているものもあります。

自賠責保険の補償内容

補償対象内容、限度額
死亡保障最高3,000万円
後遺障害保障最高4,000万円
傷害保障最高120万円

まずは自賠責保険の補償内容から見ていきましょう。自賠責保険が補償しているのは「相手を死亡させた場合」「相手に後遺障害を負わせた場合」「相手をケガさせた場合」のみとなっており、それぞれ死傷者一人あたりの限度額は以上のようになっています。しかしながら死亡事故によって1億円以上の損害賠償を請求された過去の判例もあるので、自賠責保険の限度額では残りの多額の賠償金を自分自身で支払うことになります。数千万円にも上る賠償金を一生をかけて支払うことは、一般の人にとってはとてもできることではありません。

そこで大切となるのが任意保険への加入で、自賠責保険ではカバーできない多額の損害賠償にも対応しているのが大きな特徴です。例えば先ほどの死亡事故のケースでも相手への死亡保障を無制限に設定していれば、1億円を超えるような損害賠償でも保険会社が代わりに支払ってくれます。

補償範囲自賠責保険任意保険
相手を死亡、ケガをさせる
自身が死亡、ケガを負う×
搭乗者が死亡、ケガをする×
相手の車を壊した×
自身の車が壊れた×
ガス欠、レッカー移動など×

また民間の任意保険では相手への死亡補償だけではなく、自分自身や搭乗者が死傷した場合や相手の車や保険対象の車が事故で壊れてしまっても修理費用が補償されます。また特約によってさまざまな事故にも対応することができたり、無料のロードサービス(ガス欠時の給油かけつけやレッカー移動サービスなど)も付いており、日常生活や通勤、レジャーで車を運転する人にとって安心できる補償内容となっています。

任意保険の補償内容と必要性

保険種類補償内容
対人賠償保険事故相手を死亡させたり、ケガを負わせてしまった場合に補償される保険(数千万円~無制限)
対物賠償保険事故によってモノや家屋などを壊してしまった場合に補償される保険(数千万円~無制限)
搭乗者傷害保険事故時に運転していた車に乗っていた人(自身や搭乗者)がケガした場合に補償される保険(数百万円~数千万円)
人身傷害保険過失割合に関係なく車に乗っていた人(自身や搭乗者)が事故でケガした場合に補償される保険(数百万円~数千万円)
自損事故保険こちらの過失が100%であったり相手がいない自損事故で自分自身が負ったケガに対して補償される保険(数百万円~数千万円)
無保険車傷害保険相手が保険に加入していなかったり当て逃げ、ひき逃げのケースに補償される保険(数百万円~数千万円)
車両保険事故で自身の車や相手の車が壊れてしまった場合に修理費用が補償される保険(車両クラスによる)

任意保険では主に以上のような保険種類で構成されており、必要に応じて加入、非加入を自身で決めることができます。また保険金額も自身で決めることができるのが自賠責保険との違いで、設定する保険金額によって保険料も変わってきます。自賠責保険では最大で4,000万円までの補償額ですが、任意保険では対人、対物補償保険ともに無制限と設定することができるので、高額の賠償金にも対応しています。

また自分自身へのケガや搭乗者の死亡やケガに対する補償や、他人が所有するモノや店舗を壊してしまった場合でも補償されるのが任意保険の特徴です。他にも特約によってオプションとして補償を追加でき、示談交渉にかかる弁護士費用を負担してくれたり、自転車運転中や日常生活における補償もカバーされている個人賠償責任特約などもあります。

さらにはガス欠や脱輪、キー閉じ込めやレッカー移動が必要な場合に現場まで専門スタッフがかけつけてくれるロードサービスが充実している損保会社もたくさんあります。年間の保険料は数万円ととても安いものではありませんが、万が一の事故やトラブルに備えて任意保険は必ず加入する必要があると言ってもいいでしょう。

自動車保険に加入する必要性のまとめ

  • 保険は加入者が保険料を出し合い、万が一の場合に助け合うことで備えるしくみ
  • 自動車保険には自賠責保険と任意保険の2種類がある
  • 自賠責保険は最低限の補償を目的としているため任意保険で足りない部分をカバーする必要がある
  • 任意保険に加入するとさまざまな補償をカスタマイズでき、トラブル時に対応してくれるロードサービスも付いてくる

参考記事
・Wikipedia:「自動車保険
・日本生命:「保険の基礎知識

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